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KPress2021年第4号

発達障害児支援の充実について

発達障害児への支援を充実させて欲しい、とのご要望をいただいたことをきっかけに、9月定例議会にて次のような質問をさせていただきました。

【黒田からの質問】

発達障害児を支援するにあたっては、教育現場にて、早期に発見され、早期に適切な対応がなされることが極めて重要と考えられますが、県の取り組みを伺う。

【教育長答弁】

はじめに、発達障害児支援の充実についてお答えいたします。
まず、教育現場における発達障害児の早期発見、早期の適切な対応については、教員の発達障害に対する理解を深めるとともに、支援方法や心理検査に関する知識を高めていくことが重要であると考えております。
発達障害児に対する理解を深めるため、教職経験の浅い教員を対象として、発達障害に関する基礎的な内容を学ぶ研修を、尾張地区、三河地区でそれぞれ年1回開催しております。
また、支援方法の専門性を高めるため、市町村教育委員会からの要請に応じて、特別支援学校の教員から助言を受けながら、支援、指導方法の向上を目指す事例検討会を、年間300回以上実施しております。
さらに、発達障害児の早期発見につながる心理検査についての知識を高めるため、希望する教員を対象に知能指数を数値化するWISC検査に関する専門講師によるセミナーを実施しております。
今後も、こうした取組を充実させていくことで、発達障害児の早期発見、早期対応の重要性をすべての教員が理解し、発達障害児の能力を引き出せるよう、引き続き適切に支援していけるよう、しっかりと取り組んでまいります。

【黒田からの質問】

「あいちの教育ビジョン2025」において、「障害のある生徒の支援情報(個別の教育支援計画)の中学校から高等学校等への引継率」(目標: 2019年62・9%から2023年100%へ)となっていますが、直近の数値と達成に向けた取組についてお尋ねします。また、これは、中高連携だけでなく、幼児期から就労まで引き継がれるべきものと考えますが、県の対応を伺います。さらには、その時々に応じた合理的配慮も引き継がれることが重要と考えますが、県の対応を伺う。

【教育長答弁】

次に、個別の教育支援計画の引継ぎについてであります。
中学校から高等学校等への支援情報の引継率は、2020年3月では65・1パーセントとなっております。
これまで、県教育委員会では市町村教育委員会に働きかけ、高等学校への引継ぎ方法、活用等についての研究を進めてまいりました結果、引継率は徐々に向上してきております。
引継率100パーセントに向けた今後の取組についてであります。保護者の中には進学先の学校への支援情報の引継ぎを望まない方もおられますので、新たに啓発リーフレットを作成し、中学校から高等学校への引継ぎに留まらず、幼児期から就労までを見据えた支援情報の引継ぎの重要性を、保護者に理解していただくよう努めてまいります。
また、2016年の障害者差別解消法の施行に合わせて、教育の場においても合理的配慮の提供が求められておりますので、個別の教育支援計画に合理的配慮の内容を明記して、支援情報を引き継いでまいります。
今後も、これらの取組により、保護者の理解を得ながら、個別の教育支援計画を進学先の学校や就労先に確実に引継ぎ、発達障害児への支援の充実を図ってまいります。

【黒田からの質問】

教育と福祉の連携を推進するため、放課後等デイサービス事業所などの障害児通所支援事業所と学校との連携に向けた具体的な取組を小中学校の教職員に対して示す必要があると考えますが、現在、県教育委員会としてどのように取り組んでおられるのか、伺う。

【教育長答弁】

最後に、教育と福祉の連携についてお答えいたします。発達障害のある子どもたちに対する学習や生活面の支援を行う上で、学校と福祉機関が連携し、双方がそれぞれの情報を共有することは重要であると認識しており、議員お示しの文部科学省からの通知文を基本として取組を行っております。
県教育委員会では、まずは、管理職の理解を深める必要があると考えておりますので、私学も含めた幼稚園から高等学校までの管理職を対象とした研修会において、「教育と福祉の連携」をテーマとしたシンポジウムを実施しております。
このシンポジウムでは、学校と障害児通所支援事業所との協力に関する具体的な事例発表などにより、管理職の理解を深めております。
また、小中学校の教職員に対して、個別の教育支援計画を活用した福祉機関との情報共有など、教育と福祉の一層の連携を改めて周知するとともに、必要に応じて保護者、学校、事業所の三者の話し合いの場を設けるなどして、障害児通所支援事業所との連携をさらに深め、発達障害のある子どもたちへの支援を推進してまいります。


質問をきっかけに発達障害について学ばせていただきましたが、大変幅が広く奥の深い課題であることが分かりました。また、厚労省が発達障害について、「生まれつきの特性です」と説明しているのが強く印象に残りました。発達障害に限らず、個々の特性が伸ばされ、生かされる社会の実現を行政に要望し、発言を終えました。
限られた紙面では概要しか掲載できません。愛知県議会のホームページから、「本会議中継」↓録画映像「議員名から選ぶ」↓「黒田太郎」にお進みいただくと、全てのやり取りをご覧いただけます。また、私のYouTubeチャンネルでも取り上げていますので、是非ご覧ください。

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