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KPress2022年第3号

十二月議会代表質問

十二月の愛知県議会本会議にて、所属する新政あいち県議団を代表して質問に立たせていただきました。
今回はその概要をお知らせいたします。

黒 田
交通事故防止対策を推進するため、ゾーン30プラスを今後どのように進めていかれるのか。

警察本部長
ゾーン30プラスの推進についてのご質問についてお答えいたします。
県警察ではこれまで、生活道路の交通事故抑止対策として、ゾーン30を推進してまいりました。
ゾーン30は、歩行者等の通行が最優先され、通過交通が可能な限り抑制されるという基本的なコンセプトに対する地域住民の同意が得られる区域におきまして、最高速度を時速30キロメートルに抑制する区域規制等を講じることで、区域内における車両の速度及び通過交通の抑制を図るものです。
ゾーン30プラスでは、このゾーン30に、車両の速度を低下させるなどの効果がある物理的デバイスを適切に組み合わせることとなるため、議員お示しのとおり、より高い交通事故抑止効果が期待されるものと考えております。
ゾーン30プラスの整備に際しましては、道路管理者との連携や地域住民の同意等が不可欠でございますので、関係者間で整備に向けた調整や検討を進めてまいりましたところ、今月中に名古屋市中村区において県内初となるゾーン30プラスを整備する予定となりました。
また、今年度中には、名古屋市瑞穂区においても更に1か所の整備を予定しております。
ゾーン30プラスは、高齢者や子供だけでなく、地域住民が日常的に利用する生活道路の安全確保を図るものであり、県民の安心・安全に直結する施策であると考えております。
引き続き、道路管理者と緊密に連携の上、地域住民との合意形成を図りながら、ゾーン30プラスの整備を推進してまいります。

黒 田
スタートアップの成長や資金調達など、PRE-STATION Aiでは、これまでにどのような成果が得られたのか、また、その成果を、STATION Aiにどう繋げていかれるのか。

知 事
PRE-STATION Aiでは、専門的な知見を持つ統括マネージャーが常駐し、起業に至るアイデアの具体化や、資金調達の手法など、スタートアップの成長段階に応じた起業支援を行っているところであります。
今年度は新たに、フランスのSTATION Fの知見を取り入れたプログラムの実施や、リモートメンバー制度の導入などを行い、登録メンバー数は、昨年度末の48社から、155社へと増加しております。
具体的な成果としましては、開設から昨年度までの約2年間で、会社設立に至ったスタートアップが14社、資金調達の達成が14社、製品開発が6社、事業会社との協業開始が11社ありました。また今年度は、既に13社が、ベンチャーキャピタルなどからの資金調達を達成しているほか、この10月には、上場企業に対し、出口戦略の一つであるM&Aによる株式譲渡を実現した事例もありました。
更に、今年5月に県も出資した「STATION Ai Central Japan 1号ファンド」では、これまでに2社のPRE-STATION Aiメンバーに対する投資を実施しております。
こうした取組により、PRE-STATION Aiでは、メンバーの集積や、資金調達環境が整いつつあります。本県では、これらの成果を踏まえながら、今後は更にスタートアップにおける人材面の支援や、ユニコーン企業として飛躍的に成長する可能性のあるスタートアップの成長を加速させる取組など、スタートアップが直面する現下の課題にストレートに対応するための施策を強化し、この地域に更なるヒト・モノ・カネを集結させ、STATION Aiが2024年10月の開業と同時にロケットスタートを切れるよう、取組の一層の充実を図ってまいります。

黒 田
地球温暖化対策を着実に進め、一刻も早くカーボンニュートラルを実現するために、本県産業の屋台骨を支える中小企業への支援について、どのように考えておられるのか。

知 事
本県内の中小企業の温室効果ガス排出量は、県全体の約4分の1を占めており、カーボンニュートラル社会の実現のためには、中小企業による排出削減が必要不可欠となっております。 加えて、昨今の歴史的な原油・エネルギー価格の高騰から、エネルギー使用量の削減が急務となっており、省エネルギーの推進や再生可能エネルギーの導入が一層求められております。 本県では、こうした課題に直面する中小企業を支援するため、2014年度から、専門家が無料で、企業訪問等により省エネ対策や温暖化対策のアドバイスを行う「あいち省エネ相談」を実施しているほか、今年度からカーボンニュートラルを実現するための設備導入に必要な資金を低利で融資する制度を設けております。 さらに、今年の8月以降、県内事業者に対し、再生可能エネルギー設備の導入やエネルギー消費効率の高い設備への更新を支援する補助制度を設け、多くの中小企業に利用いただいております。 こうした中で、現在、グローバル企業を中心に、脱炭素化を企業経営に取り込む動きが世界的に進展しており、本県内においても、サプライチェーン全体でカーボンニュートラルを目指す大企業から、CO2排出量の削減を求められるサプライヤーもあり、そうした要請に応えることも中小企業にとって大きな課題となっております。 一方、中小企業の中には、既にCO2削減対策に積極的に取り組み、自社で開発したシステムを他社に提供したり、培ったノウハウを生かして新たにコンサルティングを展開しているものもあります。 脱炭素経営に取り組むことは、エネルギーコストの削減だけでなく、企業の社会的評価の向上や資金調達面での優位性の確保、新たなビジネスチャンスの可能性にもつながるものと考えられています。 県としては、脱炭素経営のメリットや成功事例の紹介とともに、排出量の算定や削減目標の設定など中小企業の脱炭素化に必要な支援を行い、カーボンニュートラル社会の実現につなげてまいります。

黒 田
健康寿命の延伸について、個人・法人に対する健康づくり推進施策が重要になると考えますが、どのように取り組まれるのか。

知 事
健康寿命の延伸はすべての県民の願いであり、これを実現するためには、一人ひとりが健康づくりに取り組むとともに、社会全体で支えることが何よりも重要であります。
本県では、「健康日本21あいち新計画」に基づき、様々な健康づくりの施策を総合的・計画的に進めております。中でも、本県独自の取組として、運動や食生活の改善などに取り組んだ方々が、県内の協力店で各種優待サービスを受けることができる「あいち健康マイレージ事業」を実施しているほか、若い世代や働く世代の方々にも気軽に健康づくりに取り組んでいただけるよう、健康づくりを支援するスマートフォンアプリ「あいち健康プラス」を開発・運用しております。
また、社会全体で支える効果的な取組としまして、栄養バランスを考えた食生活を支援するため、県内の飲食店やコンビニ店等に参加していただいている「食育推進協力店」を通じて、食生活に関するポスターの掲示やリーフレットの配布など、健康に役立つ情報を提供する事業を実施しております。さらに、健康経営に取り組む企業の登録制度を設け、本県が管理・運営している「あいち健康経営ネット」で制度の周知や好事例の紹介等を行っております。登録企業は県独自の中小企業融資制度の活用が可能であり、特に優れた取組を行う企業への表彰などを行っております。
現在、本県では、健康づくりのさらなる推進のため、生活習慣や健康づくりに関する県民調査を行っており、今後は、この結果も参考にして、更なる効果的な施策を積極的に推進し、全ての県民の皆様が、生涯を通じ健康でいきいきと過ごすことができる「健康長寿あいち」の実現を目指してまいります。

黒 田
金利上昇に備え、県としてどのように財政運営に取り組まれるのか。

知 事
金利上昇による公債費負担を抑制するためには、県債残高を抑制することが肝要であります。本県では「あいち行革プラン2020」に基づき、通常の県債の実質的な残高について、2019年度決算の水準を超えることのないよう維持・抑制に努めております。
また、国内金利が上昇傾向にある中、県債の発行にあたっては、市場環境に即した適正な発行条件にできるよう取組を進めております。具体的には、発行時期の平準化や、発行年限・条件決定方式の多様化を行うとともに、発行時期や償還年限等をあらかじめ特定しないフレックス枠を活用するなど、発行の柔軟化を推進しているところであります。
さらに、こうした市場環境の変化に適切に対応していくには、金融等に関する専門的な知識が必要となります。このため、地域経済の動向や金融情勢の変動に関する情報収集に長けた国など関係機関との連携を図りながら、地域経済分析や金融市場に精通した専門性を有する人材の育成にも取り組んでまいります。
今後も引き続き、県債残高の抑制や安定的な資金調達に取り組み、公債費負担の適正管理に努め、財政運営に支障が生じることのないよう進めてまいります。

県政報告会のお知らせ

~県議活動8年の想いを語ります。是非聞きにいらしてください!
□ 日 時:令和5年2月25日(土)10時30分
□ 場 所:ルブラ王山2F飛翔の間(千種区覚王山通8-18)
※入場無料・申込不要
*山田昌弘名古屋市会議員による市政報告会を同時開催


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