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阪神・淡路大震災から30年

2025年1月17日

30年前の今日、私は日銀の本店に勤務しており、上司からの「現地金融機関の現状を把握せよ」という指示を受けました。
金融当局として現状把握は必要ですが、当時の通信手段は電話、テレビに映る惨状を目に、電話するのをためらっていました。
もちろん現地には電話は通じないでしょうから、東京支店に電話をすることになりますが、それとて日銀の相手をしている場合ではないはず。
そんなとき、この人なら、と思える信頼関係のある方に意を決して電話をし、まずお詫びから入り、「現状分かっていることのみ教えてください」と電話口で頭を下げました。
先方は、「黒田さんでなければこの電話を切っています」と前置きし、要点を簡潔に教えてくださいました。
信頼関係の大切さが身に染みた出来事であり、私はその情報を上司に伝達、上司は満足げにさらに上の者に報告に行きましたが、その姿を見て妙に白けたのを覚えています。
この状況で何が一番大切なのか?
つくづく考えさせられる出来事でした。そして、30年も経てば、上司も電話を取ってくださった方も引退しているので、書かせていただきました。
今朝も30年前と同じように寒い朝でした。